チラシの効果とは、チラシを届けた結果として生まれる反応(問合せ・来店・申込など)と、その先の売上や認知への貢献のことです。「チラシは効果があるのか」と調べると、反響率の数字がいくつも出てきますが、その数字の意味は、どの媒体で届けたか、何を反響と数えたかによって変わります。同じチラシでも、ポストへ投函するのか、新聞に折り込むのか、街頭で手渡すのか、宛名をつけて送るのかで、届く相手も、見てもらえ方も、測り方も違うためです。この記事では、チラシの効果が何で決まるのかを整理したうえで、媒体ごとの違いと、媒体をまたいで比べるための測り方を、チラシを出す側の視点で紹介します。数字の目安そのものは個別の記事に任せ、ここでは「なぜ媒体で差が出るのか」と「どうそろえて比べるか」に絞ります。
チラシの効果は、ひとつの数字では表せません。配ってから成果になるまでを段階に分けると、どこで止まっているのかが見えやすくなります。
「効果がない」と感じたときは、どの段階で止まっているのかを切り分けるのが先です。そもそも相手に届いていないのか、届いても見られていないのか、見られても動くだけの理由がないのか。媒体の違いが主に効いてくるのは「届く」と「見られる」の2段階で、「動く」以降は、チラシの中身(特典・訴求・連絡先の分かりやすさ)や商材の性質で決まる部分が大きくなります。
反響を数える計算式は、媒体にかかわらず同じです。計算式と数字の読み方は業種別に見るポスティングの反響率で整理しています。
チラシの効果を左右する要素は、大きく4つに分けられます。前の3つは届け方(媒体)によって変わり、最後のひとつはどの媒体でも共通です。
媒体を変えると前の3つが変わり、チラシの中身を変えると4つ目が変わります。結果が思わしくないとき、媒体を替えるべきなのか、中身を直すべきなのかは、この切り分けで考えられます。たとえば、反響を数えているのに少ないときは、まず届く相手とエリアが商材と合っているかを見ます。合っているのに少ないなら、中身の見直しを考える、という順序です。
ポスティングを例にした、エリア選定・配布タイプ・特典・チラシの内容・継続という5つの要因の整理は、ポスティングの効果はどう決まるかにまとめています。
| 媒体 | 届く相手 | 見られ方の特徴 | 反響の測りやすさ | 向く目的 |
|---|---|---|---|---|
| ポスティング | 配布エリア内の住宅・事業所のポスト(新聞の購読を問わない) | ポストに直接入る。ほかの配布物と並ぶため、見出しと特典で目に留まるかが問われる | エリアごとに電話番号やQRコードを変えれば、エリア別に比べやすい | 届いたエリアごとの反応を比べて、効果を見たいとき |
| 折込(新聞・フリーペーパー) | 新聞の購読世帯、またはフリーペーパーの読者 | 新聞と一緒に届き、購読層には習慣的に目を通してもらいやすいといわれる。一方、同じ日のほかのチラシと並ぶ | 折込日が決まっているので、日付ごとの反応を追いやすい。購読していない世帯は対象外 | 折込日ごとの反応を追い、購読層での効果を見たいとき |
| 街頭での手渡し | その場を通りかかった人 | 対面で渡すため印象に残りやすいが、受け取るかどうかは相手次第 | 場所や時間帯ごとにQRコードやクーポンを変えれば比べられる。その場の反応は見えにくい | 特定の場所にいる層への認知づくり、サンプルや体験の提供 |
| ダイレクトメール(DM) | 宛先として決めた個人・法人 | 宛名のある郵便物として個別に届く。関係のある相手ほど開封されやすい | 宛先リストが分母になるため、反応を数えやすい | 宛先リストを分母に、反応を数えやすく測りたいとき |
(読み方: 左から順に、まず「届く相手」が自社の狙いと合っているかを確かめ、次に「反響の測りやすさ」を見ます。どの媒体が優れているかではなく、相手・範囲・測り方の組み合わせで選ぶための表です。各媒体の仕組みは、ポスティングとは、折込チラシとは、ダイレクトメール(DM)とはで説明しています。)
表1の違いを踏まえて、媒体ごとに「結果を見るときに気をつけたい点」を整理します。
媒体ごとの効果を比べたいなら、配る前に、何を反響と数えるかと、どの配布からの反応かを見分ける目印を決めておく必要があります。配ったあとで数え方を考えても、元の配布が分からなければ、あとから直せません。
計算式は「反響率(%)= 反響数 ÷ 配布枚数 × 100」です。説明用の仮の数字で計算すると、500枚を配布して反響が2件あった場合、反響率は 2 ÷ 500 × 100 = 0.4% です。この数字は計算の説明のための仮のもので、媒体ごとの目安ではありません。
ただし、媒体をまたぐと、分母の「枚数」が同じ意味になりません。ポスティングの配布枚数には、実際には届かなかった住戸の分が含まれることがあります。折込は購読世帯に対する枚数、DMは宛先を決めた相手に対する発送数、街頭での手渡しは渡した枚数です。率をそのまま並べて優劣をつけるのではなく、反響の定義、分母の意味、期間、エリアの条件がそろっているかを先に確かめるのが基本です。
目印の具体的な使い方(QRコード・クーポン・専用電話・LP・アンケート)は、ポスティングの効果測定で整理しています。ポスティング以外の媒体にも、そのまま応用できます。
チラシの効果を比べるときに起こりやすい誤読を、4つ挙げます。
費用対効果を見るときは、反響の数だけでなく、その配布にかかった費用と合わせて、反響1件あたりでどうだったかを見る考え方もあります。ただし、費用の条件は媒体・エリア・枚数で異なるため、比べる前に条件をそろえることが前提です。
どの媒体が合うかは、商材とエリアによって変わります。迷うときは、小さく試して比べるのが確実です。
エリアの特性、つまり世帯構成・年齢層・持家率などは、どの媒体が合うかを考える手がかりになります。当社が公開しているエリアページでは、市区町村単位の商圏データにもとづいて、ポスティングを含む11の販促施策との相性を示しています。方向性をつかむ入口としてご覧いただき、実際の計画では、より細かい単位で検討する二段階の進め方も可能です。施策の選び方と組み合わせの考え方は、エリアマーケティングの手法でも扱っています。
当社は、ポスティング・新聞折込・街頭配布・ダイレクトメールをはじめ11の媒体を横断して、エリアと目的に合った組み合わせを設計する立場です。
特定の媒体に決め打ちせず、届けたい相手とエリアから逆算して、どの媒体を、どこへ、どう組み合わせるかをご提案します。チラシの印刷から対応しており、デザインについては案件や状況によりご相談ください。各媒体の取り組みは、ポスティングや新聞折込のページをご覧ください。
チラシ配布全体の考え方はチラシ配布とはにまとめています。
チラシの効果は、「届く」「見られる」「動く」「売上になる」の段階のどこで止まっているかを切り分けて考えます。媒体で変わるのは、届く相手、配る範囲、届くタイミングです。比べるときは、反響の定義、分母の意味、期間、エリアをそろえ、配布ごとに目印をつけて記録を残します。
それぞれの媒体の仕組みは、ポスティングとは、折込チラシとは、ダイレクトメール(DM)とはをご覧ください。
一律には言えません。届ける媒体、エリア、チラシの中身、何を反響と数えるかによって変わります。反響率は一般に幅のある数字で語られ、数字だけを切り出して自社に当てはめるのは勧められません。配布ごとに目印をつけて自社で測った結果を、次の配布の基準にするのが確実です。
媒体の優劣ではなく、届けたい相手と範囲が合っているかで決まります。たとえば新聞を購読する世帯には折込、購読の有無にかかわらずエリアを決めて届けたい場合はポスティング、特定の場所にいる人には街頭での手渡し、決まった相手にはダイレクトメールが候補になります。目的と相手から選ぶのが基本です。
「届いているか」「見られているか」「動く理由があるか」の順に確かめます。まず、エリアと相手が商材に合っているかを見て、合っているなら、特典や訴求などチラシの中身を見直します。あわせて、反応を数える目印がついていたかも確認してください。数えられていないだけのこともあります。
専用の電話番号、配布ごとに別のURLにしたQRコード、クーポン、来店時に「何を見て来たか」を聞く方法などがあります。配布ごとに別の目印をつけておけば、どの配布からの反応かを分けて数えられます。具体的な方法は、ポスティングの効果測定の記事で紹介しています。
媒体ごとに別の目印をつけておけば、分けて数えられます。目印がない場合は、組み合わせ全体の結果として評価します。媒体の優劣を知りたいときは、同じチラシ・同じ反響の定義で、変えるのを媒体のひとつだけにして試すと比べやすくなります。