BtoBの集客とは、法人や事業者に向けて自社の商材を知ってもらい、問い合わせや商談につなげる活動のことです。個人向けと違い、見てくれた人がそのまま買うとは限りません。窓口の担当者、使う現場の人、決める人が別々にいることが多く、検討にも時間がかかります。このため、BtoBの集客方法は「一度で決めてもらう」ものではなく、「相手の検討のどこかで思い出してもらう」ものとして組み立てるのが現実的です。この記事では、BtoBの集客方法を大きく整理したうえで、事業所へ紙で届ける手段(DM・事業所ポスティング・手渡し)の違いと、エリアや商材に応じた使い分けを見ていきます。
BtoBの集客が個人向けと違う点は、大きく3つあります。相手が組織であること、決める人が複数いること、そして検討に時間がかかることです。
こうした特徴から、BtoBでは「いま買いたい人を見つける」よりも、「必要になったときに思い出してもらえる状態をつくる」ことが、一般に集客の中心といわれています。名前や商材を知っている状態をつくっておけば、電話や訪問、問い合わせフォームからの連絡が受け入れられやすくなります。
BtoBの集客方法は、検索や広告などのWebを使うもの、人が会う場を使うもの、紙で届けるものの3つに分けて考えると整理しやすくなります。
どれか1つを選ぶ、というより、商材と相手に合わせて組み合わせるのが一般的です。Webは「探している人」に強く、紙は「まだ探していない人」に存在を知らせる役割を持ちやすい、といわれます。この記事の後半では、3つ目の「紙で届ける方法」、とくに事業所という場所に向けて届ける手段に絞って整理します。
| 手段 | 届け先の決め方 | 届く先 | 向く場面 | 留意点 |
|---|---|---|---|---|
| 郵送DM(宛名あり) | 送付先のリスト(社名・部署・宛名)を用意して決める | 宛名に書いた相手 | 特定の企業へ資料を添えて案内したい、既存取引先へフォローしたい | リストの用意と精度が前提。1通ずつ宛名を入れる分、準備に手間がかかる |
| メール便DM(宛名あり) | 郵送DMと同じく、送付先リストで決める | 宛名に書いた相手 | 郵送DMと同様の用途。届ける配達事業者が異なる | 対応エリアは条件により異なるため、個別の確認が必要 |
| 事業所ポスティング | 届けたいエリアを決める(リストは使わない) | 配布員がエリア内を回って見つけた事業所のポスト | エリア内の事業所に広く知ってもらいたい、電話や訪問の前に存在を伝えたい | 特定の企業を狙い撃ちする設計ではない。ポストに入れるため、担当者に届くまで社内の仕分けを経る |
| 手渡し(エコ配) | 配達員が配達のついでに、受付・担当者へ手渡し(配布エリアや相手は指定できない) | 受付・担当者(不在のときは投函になることがある) | 重要な案内を、人を介して渡したい | 人を介する分、接触は深くなりやすい。提供エリアは限られる |
(読み方: 上の2行は「宛名を用意して特定の相手に届ける」手段、下の2行は宛名を使わない手段です。事業所ポスティングは届けたいエリアを決め、手渡しは配達員の配達に合わせて届くため、エリアや相手は指定できません。まず、特定の企業を狙いたいのか、エリア内の事業所に広く知ってもらいたいのかを決めると、選ぶ手段が絞れます。事業所ポスティングの仕組みはオフィスへのポスティングとは、宛名のあるDMの送り方は法人向けDMの送り方で説明しています。)
事業所へ届ける施策は、事業所の集まり方に左右されます。同じ市区町村の中でも、駅前のオフィス街と、郊外の住宅地や工業団地では、1本の通りに並ぶ事業所の数も種類も違います。
どの場所が向くかは、商材で変わります。たとえば、事務用品や通信回線のように多くの事業所が使うものは、事業所の数が多い場所で広く知ってもらう意味があります。一方、製造業向けの設備のように相手が限られる商材は、該当する業種が集まるエリアを選ぶ必要があります。エリアの事業所密度や昼夜の人口の違いなど、エリアの見方はエリアマーケティングの手法でも整理しています。
もう1つの軸が、商材の検討期間と金額です。検討が短く、担当者の判断で決められる商材と、検討が長く、複数人の合意が要る商材では、紙の使い分けが変わります。
事務用品、清掃、ランチの配達、複合機のような、担当者レベルの判断で動かせる商材は、事業所に広く知ってもらい、必要になったときに連絡をもらう形が合いやすいといわれます。この場合は、エリアを決めて事業所のポストへ届ける施策が候補になります。
一方、金融、保険、不動産、高額な設備のように、検討期間が長く、複数の意思決定者が関わる商材は、資料を同封して情報量を確保できる、宛名のあるDMが向く傾向があります。この場合も、DMを送る前に電話や訪問をする、DMのあとに手渡しや再接触で補う、といった組み合わせが現実の運用です。
宛名のないポスティングと、宛名のあるDMの反応の出方の違いは、法人・BtoB向けDMの反応率で詳しく扱っています。
BtoBの集客では、1回の接触で完結させるより、段階をつけて何度か届けるほうが現実的です。紙の手段は、段階に合わせて役割を分けられます。
最後の再接触は、紙とは別の手段ですが、同じエリアで連動させる設計ができます。位置情報を使った配信の仕組みは地域に絞る広告とジオターゲティングで説明しています。
BtoBでは、反応が出るまでに時間がかかる分、どの届け方から来た反応なのかが分からなくなりがちです。配る前に、目印を決めておくのが基本です。
反応の数え方の基本はポスティングの効果測定で整理しています。事業所向けでも考え方は同じです。
KTSCは、特定の1つの媒体を売る立場ではなく、ポスティング、折込、手渡し、ダイレクトメール、デジタル配信などを、エリアと目的に合わせて組み合わせて設計する立場です。
事業所へ届ける施策では、エリア内の事業所のポストへ届けるオフィスポスダイレクト、宛名のある送付に対応するダイレクトメール、配達員が配達のついでに事業所の受付・担当者へ手渡しするエコ配手渡し(提供エリアは限られます)などを、目的に応じて組み合わせます。対応できるエリアや条件は、施策によって異なるため、個別にご相談ください。
BtoBの集客は、検討に時間がかかる分、一度で決めてもらうのではなく、相手の検討のどこかで思い出してもらう設計が現実的です。事業所へ紙で届けるなら、特定の企業を狙うのか、エリア内の事業所に広く届けるのかで、宛名のあるDMと、事業所ポスティングを使い分けます。事業所の集まり方、商材の検討期間、反応を見る準備の3つを、配る前に確かめておくことが、無駄の少ない集客につながります。
まず「誰に」「何を」知ってもらうのかを決め、その相手がどこにいるのかを確かめるのが先です。事業所が特定できているなら、宛名のあるDMや訪問が候補になります。エリア内の事業所に広く知ってもらいたいなら、事業所ポスティングのように、エリアを決めて届ける方法が候補です。
商材によります。事務用品、清掃、飲食の配達、通信回線のように、担当者の判断で動かせる商材は、チラシで存在を知ってもらい、必要になったときに連絡をもらう形が合いやすいといわれます。検討が長い高額の商材は、資料を添えたDMなど、情報量を確保できる手段のほうが向く傾向があります。
特定の企業へ狙って届けたいか、エリア内の事業所に広く知ってもらいたいかで選びます。前者は宛名リストを用意した郵送DMやメール便DM、後者は事業所ポスティングが目安です。2つは対立するものではなく、段階に応じて組み合わせることもできます。
商材や検討期間によって大きく異なります。BtoBは検討が長く、配布してから時間をおいて連絡が来ることもあるため、数日の結果だけで判断せず、期間を長めに取って見るのが一般的です。