法人・事業所への届け方

BtoBの集客方法 — 事業所に紙で届ける手段と、エリアでの使い分け

BtoBの集客とは、法人や事業者に向けて自社の商材を知ってもらい、問い合わせや商談につなげる活動のことです。個人向けと違い、見てくれた人がそのまま買うとは限りません。窓口の担当者、使う現場の人、決める人が別々にいることが多く、検討にも時間がかかります。このため、BtoBの集客方法は「一度で決めてもらう」ものではなく、「相手の検討のどこかで思い出してもらう」ものとして組み立てるのが現実的です。この記事では、BtoBの集客方法を大きく整理したうえで、事業所へ紙で届ける手段(DM・事業所ポスティング・手渡し)の違いと、エリアや商材に応じた使い分けを見ていきます。

BtoBの集客は、個人向けと何が違うか

BtoBの集客が個人向けと違う点は、大きく3つあります。相手が組織であること、決める人が複数いること、そして検討に時間がかかることです。

こうした特徴から、BtoBでは「いま買いたい人を見つける」よりも、「必要になったときに思い出してもらえる状態をつくる」ことが、一般に集客の中心といわれています。名前や商材を知っている状態をつくっておけば、電話や訪問、問い合わせフォームからの連絡が受け入れられやすくなります。

  • 相手が組織:チラシやDMをはじめに受け取るのは、決裁者ではなく、総務や受付、店舗なら店長や従業員であることがよくあります。
  • 決める人が複数:使う現場の担当者、費用を管理する部門、最終的に決める人が分かれていて、1人に伝わっても決まらないことがあります。
  • 検討に時間がかかる:契約の更新時期や予算を組む時期など、買い替えを考えるタイミングが決まっている商材も多くあります。

BtoBの集客方法を大きく分けると

BtoBの集客方法は、検索や広告などのWebを使うもの、人が会う場を使うもの、紙で届けるものの3つに分けて考えると整理しやすくなります。

どれか1つを選ぶ、というより、商材と相手に合わせて組み合わせるのが一般的です。Webは「探している人」に強く、紙は「まだ探していない人」に存在を知らせる役割を持ちやすい、といわれます。この記事の後半では、3つ目の「紙で届ける方法」、とくに事業所という場所に向けて届ける手段に絞って整理します。

  • Webで届ける方法:自社サイトと検索対策、リスティング広告やSNS広告、メールマガジン、資料のダウンロード、ウェビナーなど。見込みのある人が自分で探しに来る場面に向きます。
  • 人と会う場で届ける方法:展示会、セミナー、紹介、既存のお客さまからの口コミ、電話や訪問による営業など。信頼を築きやすい反面、人手と時間がかかります。
  • 紙で届ける方法:ダイレクトメール、チラシ、FAXなど。相手の手元に実物が残るため、社内で回覧されたり、後から見返されたりすることがあります。

表1: 事業所へ届ける手段の比較

手段届け先の決め方届く先向く場面留意点
郵送DM(宛名あり)送付先のリスト(社名・部署・宛名)を用意して決める宛名に書いた相手特定の企業へ資料を添えて案内したい、既存取引先へフォローしたいリストの用意と精度が前提。1通ずつ宛名を入れる分、準備に手間がかかる
メール便DM(宛名あり)郵送DMと同じく、送付先リストで決める宛名に書いた相手郵送DMと同様の用途。届ける配達事業者が異なる対応エリアは条件により異なるため、個別の確認が必要
事業所ポスティング届けたいエリアを決める(リストは使わない)配布員がエリア内を回って見つけた事業所のポストエリア内の事業所に広く知ってもらいたい、電話や訪問の前に存在を伝えたい特定の企業を狙い撃ちする設計ではない。ポストに入れるため、担当者に届くまで社内の仕分けを経る
手渡し(エコ配)配達員が配達のついでに、受付・担当者へ手渡し(配布エリアや相手は指定できない)受付・担当者(不在のときは投函になることがある)重要な案内を、人を介して渡したい人を介する分、接触は深くなりやすい。提供エリアは限られる

(読み方: 上の2行は「宛名を用意して特定の相手に届ける」手段、下の2行は宛名を使わない手段です。事業所ポスティングは届けたいエリアを決め、手渡しは配達員の配達に合わせて届くため、エリアや相手は指定できません。まず、特定の企業を狙いたいのか、エリア内の事業所に広く知ってもらいたいのかを決めると、選ぶ手段が絞れます。事業所ポスティングの仕組みはオフィスへのポスティングとは、宛名のあるDMの送り方は法人向けDMの送り方で説明しています。)

エリアで使い分ける — 事業所の集まり方で変わること

事業所へ届ける施策は、事業所の集まり方に左右されます。同じ市区町村の中でも、駅前のオフィス街と、郊外の住宅地や工業団地では、1本の通りに並ぶ事業所の数も種類も違います。

どの場所が向くかは、商材で変わります。たとえば、事務用品や通信回線のように多くの事業所が使うものは、事業所の数が多い場所で広く知ってもらう意味があります。一方、製造業向けの設備のように相手が限られる商材は、該当する業種が集まるエリアを選ぶ必要があります。エリアの事業所密度や昼夜の人口の違いなど、エリアの見方はエリアマーケティングの手法でも整理しています。

  • オフィス街・ビジネス街:オフィスビルやテナントビルが集まり、会社の数が多い一方、ビルによっては、ポストの置き場所や運用が異なります。広く知ってもらう施策を重ねやすい場所です。
  • 商店街・繁華街:店舗、飲食店、医院などの小規模な事業所が多く、店主や院長が決める場合が多いため、決める人に近い位置にいることもあります。
  • 住宅地の中の事業所:戸建ての事務所や個人事業主、士業の事務所などが点在しています。事業所の密度が低く、広い範囲を回る必要があります。
  • 工業団地・物流拠点:製造業や運送業などが集まります。商材が合えば、まとまった数の事業所へ届けられます。

商材の検討期間で使い分ける

もう1つの軸が、商材の検討期間と金額です。検討が短く、担当者の判断で決められる商材と、検討が長く、複数人の合意が要る商材では、紙の使い分けが変わります。

事務用品、清掃、ランチの配達、複合機のような、担当者レベルの判断で動かせる商材は、事業所に広く知ってもらい、必要になったときに連絡をもらう形が合いやすいといわれます。この場合は、エリアを決めて事業所のポストへ届ける施策が候補になります。

一方、金融、保険、不動産、高額な設備のように、検討期間が長く、複数の意思決定者が関わる商材は、資料を同封して情報量を確保できる、宛名のあるDMが向く傾向があります。この場合も、DMを送る前に電話や訪問をする、DMのあとに手渡しや再接触で補う、といった組み合わせが現実の運用です。

宛名のないポスティングと、宛名のあるDMの反応の出方の違いは、法人・BtoB向けDMの反応率で詳しく扱っています。

組み合わせて、段階的に届ける

BtoBの集客では、1回の接触で完結させるより、段階をつけて何度か届けるほうが現実的です。紙の手段は、段階に合わせて役割を分けられます。

最後の再接触は、紙とは別の手段ですが、同じエリアで連動させる設計ができます。位置情報を使った配信の仕組みは地域に絞る広告とジオターゲティングで説明しています。

  • 知ってもらう段階:エリア内の事業所へ広く届ける。事業所ポスティングのように、リストを使わずエリアで届ける手段が候補です。
  • 検討してもらう段階:関心の見えた先へ、資料を添えた宛名のあるDMで案内を深める(受付・担当者への手渡しを重ねる方法もある)。
  • 思い出してもらう段階:位置情報を使ったデジタル配信などで、対象エリアへ再び接触する。

反応を見るための準備

BtoBでは、反応が出るまでに時間がかかる分、どの届け方から来た反応なのかが分からなくなりがちです。配る前に、目印を決めておくのが基本です。

反応の数え方の基本はポスティングの効果測定で整理しています。事業所向けでも考え方は同じです。

  • 専用の連絡先:届け方ごとに電話番号やメールアドレス、問い合わせページのURLを分ける。
  • 聞き取りの一言:電話や訪問のときに「何でお知りになりましたか」と確かめる。
  • 配布の記録:いつ、どのエリアへ、どの手段で届けたかを残す。
  • 見る期間を長めに取る:BtoBは検討が長いため、数日の結果だけで判断しない。

当社の関わり方

KTSCは、特定の1つの媒体を売る立場ではなく、ポスティング、折込、手渡し、ダイレクトメール、デジタル配信などを、エリアと目的に合わせて組み合わせて設計する立場です。

事業所へ届ける施策では、エリア内の事業所のポストへ届けるオフィスポスダイレクト、宛名のある送付に対応するダイレクトメール、配達員が配達のついでに事業所の受付・担当者へ手渡しするエコ配手渡し(提供エリアは限られます)などを、目的に応じて組み合わせます。対応できるエリアや条件は、施策によって異なるため、個別にご相談ください。

まとめ

BtoBの集客は、検討に時間がかかる分、一度で決めてもらうのではなく、相手の検討のどこかで思い出してもらう設計が現実的です。事業所へ紙で届けるなら、特定の企業を狙うのか、エリア内の事業所に広く届けるのかで、宛名のあるDMと、事業所ポスティングを使い分けます。事業所の集まり方、商材の検討期間、反応を見る準備の3つを、配る前に確かめておくことが、無駄の少ない集客につながります。

よくあるご質問

BtoBの集客方法は、何から始めればよいですか?

まず「誰に」「何を」知ってもらうのかを決め、その相手がどこにいるのかを確かめるのが先です。事業所が特定できているなら、宛名のあるDMや訪問が候補になります。エリア内の事業所に広く知ってもらいたいなら、事業所ポスティングのように、エリアを決めて届ける方法が候補です。

BtoBでもチラシは効果がありますか?

商材によります。事務用品、清掃、飲食の配達、通信回線のように、担当者の判断で動かせる商材は、チラシで存在を知ってもらい、必要になったときに連絡をもらう形が合いやすいといわれます。検討が長い高額の商材は、資料を添えたDMなど、情報量を確保できる手段のほうが向く傾向があります。

事業所ポスティングと宛名のあるDMは、どちらを選べばよいですか?

特定の企業へ狙って届けたいか、エリア内の事業所に広く知ってもらいたいかで選びます。前者は宛名リストを用意した郵送DMやメール便DM、後者は事業所ポスティングが目安です。2つは対立するものではなく、段階に応じて組み合わせることもできます。

BtoBの集客で、反応はどのくらいで出ますか?

商材や検討期間によって大きく異なります。BtoBは検討が長く、配布してから時間をおいて連絡が来ることもあるため、数日の結果だけで判断せず、期間を長めに取って見るのが一般的です。

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