DM反応率

法人・BtoB向けDMの反応率 — 事業所に届けるという選択

法人・BtoB向けのDMは、個人向けDMと同じものさしでは測れない部分があります。受け取るのが本人ではなく総務や受付であること、決裁者に届くまでに複数の人を経由すること、そして「事業所」という単位そのものが個人の住所とは違う性質を持つこと。この記事では、そうした法人向けDMならではの特性を整理したうえで、宛名リストがある場合とない場合、それぞれでどのような届け方が選べるのかを見ていきます。

法人向けDMは「誰が受け取るか」が個人向けと違う

個人宛のDMは、多くの場合、宛名になっている本人がポストから直接取り出して開封します。これに対して法人・事業所宛のDMは、受付や総務といった部署を経由することが多く、実際に判断を下す決裁者の手元に届くまでの経路が、個人向けよりも長くなりやすいという特性があります。担当者の目に触れる前に、内容によっては早い段階で処分されてしまうこともあります。

こうした経路の長さを踏まえると、法人向けDMの反応率は「一度の送付で明確な反応を取る」という発想だけで捉えるより、「決裁者や担当者の記憶に残す」「その後の電話や訪問の前段としての接触を作る」という位置づけで考えるほうが、現実の運用に近いといえます。反応率という数字を見るときにも、単発の反応だけでなく、後続のアクションへどうつながったかまで含めて評価する視点が必要になります。

宛名リストがある場合とない場合

法人向けの届け方は、宛名リストの有無によって大きく二つに分かれます。宛名リストがある場合は、郵送DMが基本の選択肢になります。資料の同封や情報量の担保、正式な文書としての体裁を活かせるため、法人への新規開拓、既存顧客のフォロー、セミナー招待といった用途に向いています。

一方、宛名リストがない場合、つまり特定の法人を狙い撃ちするのではなく、エリア内の事業所へ一斉に届けたい場合には、事業所のポストへ直接投函する方法があります。当社のオフィスポスダイレクトは、住所リストの調達を前提とせず、配布員が対象エリアを巡回しながら事業所を見つけて投函するポスティング型の手法です。事業所リストを起点に個別の宛先へ送る郵送DMとは、そもそもの届け方の設計思想が異なります。テレアポや訪問営業の前段として、エリア内の事業所全般に広く認知を作りたい場合に向いています。

どちらを選ぶかは、「特定の法人に狙いを絞ってアプローチしたいのか」「エリア内の事業所全般に広く接触したいのか」という目的によって決まります。この二つは対立する選択肢というより、営業プロセスの段階に応じて組み合わせて使うものと捉えるのが実務的です。下の表に、両者の違いを整理しました。

表1: 事業所へ届ける4つの手法の比較

手法リストの要否向く商材・場面留意点
郵送DM(宛名あり)宛名リストが必要新規開拓・既存フォロー・セミナー招待、資料同封が要る商材情報量を盛り込めるが、リストの調達・精度が前提になる
メール便DM(宛名あり)宛名リストが必要郵送DMと同様の用途で、届け方(配達事業者)が異なる場合対応エリアは順次拡大中のため個別にご相談
無宛名DM(宛名なし)宛名・住所のある個別リストが必要(投函物には印字しない)個別住所へ届けつつ見た目はポスティングにしたい場合対応可否はエリア・条件により異なり個別相談
事業所ポスティング(officepos-direct)リスト不要(配布員が巡回)エリア内の事業所全般への広い認知形成、テレアポ・訪問の前段個別の法人を狙い撃ちする設計ではない

(表の読み方: 上の2行は「宛名を用意して届ける」方法、下の2行は「宛名を用意せずエリア単位で届ける」方法です。特定の相手に狙いを絞りたいか、面で広くカバーしたいかで、選ぶ手法が変わってきます。)

BtoBチラシ・DMが向いている業態

法人向けのチラシ・DMが向く業態としては、ITツールや業務効率化サービス、士業・コンサルティング、OA機器・事務用品、ビル設備・メンテナンスといった分野が挙げられます。こうした商材は比較的検討期間が短く、担当者レベルの判断で資料請求や問い合わせにつながりやすい傾向があります。

一方、金融・保険・不動産のような高額商材や、検討期間が長く複数の意思決定者が関わる商材については、情報量を多く詰め込める郵送DMのほうが向く傾向にあります。事業所ポスティングのような広く浅い接触よりも、宛名を持って丁寧に情報を届ける方法が、検討の土台を作るうえで適しているためです。商材の性質に応じて、どちらの届け方を軸にするかを最初に見極めておくことが、その後の設計をスムーズにします。

反応率だけでなく「接触の役割」で評価する

法人向けの施策を評価する際は、1通あたりの反応率という数字だけでなく、その後の電話や訪問での反応、たとえば「そういえば見た」「知っている」といった反応も含めて評価するのが実務的です。DMを起点にデジタル配信や再接触を組み合わせる、段階的な接触設計も一般的な考え方です。単発の施策として反応率だけを追うのではなく、営業プロセス全体の中でどう機能したかという視点を持つと、法人向け施策の評価はより実態に近づきます。

エリア選定の視点

事業所密度は、オフィス街と住宅街とで大きく異なります。同じ市区町村の中でも、駅前のオフィス集積地と郊外の住宅地では、事業所へ届けるという施策の効き方はまったく違ってきます。対象エリアの事業所密度や昼夜人口比といった特性を事前に確認しておくことで、法人向け施策の精度は上がります。

反応率全体の考え方はDMの反応率はどう決まるかで、反応率を上げる視点はDM反応率を上げる5つの視点であわせてご覧ください。事業所向けの届け方を手段ごとに比べたいときはBtoBの集客方法を、宛名ありDMの送り方は法人向けDMの送り方を、事業所のポストへ届ける仕組みはオフィスへのポスティングとはをご覧ください。

よくあるご質問

法人向けDMの反応率は個人向けと同じ考え方でよいですか?

法人向けは受付・総務等を経由することが多く、決裁者へ届くまでの経路が長くなりやすいため、反応率だけでなく「認知形成の起点」としての役割もあわせて評価するのが実務的です。単発の反応の有無より、その後の電話・訪問での反応まで含めて振り返ることをおすすめします。

宛名リストがない場合でも法人にアプローチできますか?

はい。事業所のポストへ直接投函する事業所ポスティングという方法があり、住所リストの調達なしにエリア内の事業所へアプローチできます。特定の法人を狙い撃ちしたい場合は宛名リストを用意した郵送DM、エリア全般に広く接触したい場合は事業所ポスティング、という使い分けが目安になります。

事業所ポスティングと無宛名DMは同じものですか?

異なります。事業所ポスティング(オフィスポスダイレクト)は、配布員が対象エリアを巡回しながら事業所を見つけて投函する、リストや宛名を前提としない純粋なポスティング型の手法です。一方の無宛名DMは、宛名・住所のある個別リストに基づいて届けつつ、投函物自体には宛名・住所を記載しない方法で、受け手にはポスティングのように見えます。対応可否はエリア・条件により個別にご相談いただいています。目的や仕組みが異なるため、どちらが向くかはご相談のうえで整理させていただきます。

関連するエリア指標

このテーマを検討する際に参考になりやすいエリア指標です(当社エリアページで市区町村単位に公開しています)。

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