DMの作り方

DMのデザインで決めること — 構成の順番と、相手別の見せ方

DMのデザインというと、色や写真、フォントの選び方を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、DMのデザインの出発点は、誰に、何を伝え、どんな行動をしてほしいのかを決めることです。見た目を整えるのは、そのあとの作業になります。この記事では、DMを出す側が、デザインで何をどの順に決めるかを整理します。圧着はがきなど紙の形の選び方にも、後の節で触れます。

デザインの前に決める3つのこと

DMの出来ばえは、デザインの前に決めた内容に左右されます。まず、相手・目的・反応の3つを言葉にしておきます。

この3つが決まっていないと、デザインの良し悪しを判断する基準がなくなります。「なんとなく目立つ」「きれい」という感覚だけで選ぶと、出したあとに何が効いたのか、効かなかったのかを振り返れません。反応の定義は、デザインの指示を出す段階で、制作側にも共有しておくと進めやすくなります。

  • 相手:既存のお客さまか、問い合わせをいただいた方か、まだ接点のない新規の方か。年齢層や暮らし方など、相手の姿をできるだけ具体的に描きます。
  • 目的:来店してほしいのか、資料を請求してほしいのか、電話をしてほしいのか。ひとつのDMで求める行動は、基本的にひとつに絞ります。
  • 反応の定義:何をもって反応とするかを決めます。クーポンの持参、専用の電話番号への入電、申込ページへの入力など、後で数えられる形にしておきます。

DMを構成する要素と、置く順番

DMの内容は、いくつかの要素に分けて考えると整理しやすくなります。一般に、次のような要素で構成されるといわれています。

要素が多いほど良いわけではありません。伝えたいことが多すぎると、どれも目に入らなくなります。紙面に載せる内容を決めたら、「これがなくても伝わるか」を確かめて、削れるものは削ります。

  • キャッチコピー:受け取った人が、まず目にする一言です。自分に関係があると感じてもらうことが役割です。
  • 呼びかけ(あいさつ文):誰に向けたDMなのかを伝え、読み進めてもらう導入になります。
  • 内容の説明:商品やサービスが、相手にとってどう役立つのかを書きます。特徴の列挙より、相手の困りごとに合わせた説明が読まれやすくなります。
  • オファー:特典や期間など、今、行動する理由になる内容です。
  • 反応の手段:電話番号、申込ページ、返信はがき、クーポンなど、行動するための入口です。わかりやすい場所に置きます。

視線の流れとメリハリ

紙面は、読む人の目の動きを意識して組み立てます。

一般に、人の視線は紙面の左上から右下へ、斜めに流れやすいといわれています。左上にキャッチコピー、中央に内容、右下に反応の手段を置くと、読み進めたあとに自然と行動の入口にたどり着く形になります。これは目安であって、紙面の形や折り方によって、最適な並びは変わります。

もうひとつ大切なのは、強弱をつけることです。いちばん伝えたい言葉を大きくし、それ以外は控えめにまとめると、印象に残りやすくなります。文字の大きさ、太さ、色を使い分け、同じ種類の情報は近くにまとめます。左揃えなど、紙面のルールを統一すると、読みやすさも保てます。売り込みの色が強すぎると押しつけがましく映ることもあるため、相手の困りごとから書き始めるほうが、自然に読まれる場合があります。

相手で変わる見せ方

同じ内容でも、相手との関係によって、効く見せ方は変わります。

すでにお取引のある相手には、これまでの関係を踏まえた呼びかけが自然です。まだ接点のない相手には、自分が何者で、なぜ連絡したのかを丁寧に伝える必要があります。表1は、相手別の見せ方の考え方です。

表1: 相手別に見るDMの見せ方

相手冒頭で伝えることデザインの方向反応の手段の考え方
既存のお客さまこれまでのお礼と、相手に合った案内親しみのある、飾りすぎない紙面来店・再購入につながる特典を添える
問い合わせをいただいた方問い合わせへの感謝と、次の一歩検討の材料になる情報を整理して見せる資料請求・相談の入口をわかりやすく
新規(エリアで絞った相手)自分が何者か、なぜ連絡したかひと目で何の案内か伝わる、シンプルな構成来店や問い合わせの動機になる特典と期間
法人・事業所相手の業務にどう役立つか落ち着いた、情報が整理された紙面担当者が社内で共有しやすい資料や連絡先
高所得層・経営者層など相手の時間を尊重した、簡潔な案内品位のある、余白をとった紙面直接の相談や限定的な案内の入口

(読み方: 上の行ほど関係が深く、下の行ほど新しく関係をつくる相手です。法人向けの考え方は法人・BtoB向けDMの反応率、属性で絞って届ける場合は富裕層向けDMの考え方で扱っています。)

紙の形の選び方 — はがき・圧着はがき・封書・チラシ同封

デザインは、紙の形と一体で考えます。形によって、載せられる情報の量と、読まれ方が変わります。

紙の形を決めずに紙面だけ作ると、後で入りきらない、折ると見えない場所が出る、といった手戻りが起きます。形と構成は、同時に決めるのが安全です。

  • 通常のはがき:ひと目で伝わる簡単な案内に向きます。面が限られるため、伝えることを絞ります。
  • 圧着はがき:内側に特典や詳しい説明を入れ、開いてもらう流れをつくれます。仕組みや注意点は圧着はがきとはで説明しています。
  • 封書:資料や見本を同封でき、丁寧な印象を出せます。作業の手間は増えます。
  • チラシを同封する形:案内状に、詳しい内容のチラシを添えます。手紙で呼びかけ、チラシで詳細を伝える分担ができます。

出す前のチェックと、小さな試し方

完成したら、出す前に確認します。自分では気づきにくい点も多いため、制作に関わっていない人に見てもらうと発見があります。

デザインの効果は、出してみないとわからない部分があります。はじめから多くの通数を出すのではなく、まず少ない通数で出し、反応を見て調整する進め方があります。紙面を2つ用意して、同じ条件で比べる方法もあります。届け方や測り方の考え方はDM反応率を上げる5つの視点、反応率の見方はDMの反応率はどう決まるかにまとめています。

  • ひと目で伝わるか:数秒見て、何の案内で、自分に関係があるかが分かるか。
  • 行動の入口が見つかるか:電話番号や申込ページ、クーポンの場所が、迷わず見つかるか。
  • 読みやすいか:文字の大きさ、行の長さ、色の組み合わせは、読む人にとって無理がないか。
  • 宛名と内容が合っているか:相手の属性に合わない表現や、誤字、日付の間違いがないか。

デザインから発送まで相談したいとき

相手の決め方、紙面の設計、制作、発送までをひとつの流れで相談したい、というご要望もあります。

当社は、ダイレクトメールを含む11の媒体を横断して、エリアと目的に合った組み合わせを設計する立場です。DMの原稿・デザイン・印刷から発送まで、一括してご相談いただけます。デザインの内容は、案件や目的によって変わるため、個別にお話をうかがいます。当社の取り組みはダイレクトメールのページをご覧ください。

圧着はがきについては圧着はがきとは、手書きの使いどころについては手書きDM(手書き風DM)の効果と使いどころもご覧ください。

よくあるご質問

DMのデザインは、自分でもできますか?

テンプレートや一般のソフトで作ることはできます。ただし、見た目の前に、相手・目的・反応の手段を決めておくことが重要です。形が複雑になるほど、制作や印刷の条件の確認も必要になります。まず少ない通数で試したうえで、通数が増える段階で制作を依頼する、という進め方もあります。

紙面のどこに、何を置けばよいですか?

受け取った人がまず目にする位置に、自分に関係があると感じられる一言を置くのが基本です。内容の説明、特典、反応の手段の順に、目の動きに沿って並べます。ただし、紙の形や折り方で最適な並びは変わるため、形を決めたうえで配置します。

写真とイラストは、どちらがよいですか?

どちらが優れているとは言えません。商品やお店の雰囲気を伝えたいなら写真、仕組みや手順を伝えたいならイラストや図、というように、伝えたい内容で選びます。大切なのは、写真やイラストが目的の邪魔をせず、キャッチコピーと反応の手段が目に入ることです。

はじめは、何通くらいで試すのがよいですか?

決まった通数はありません。反応の違いを見分けられる程度の通数を、予算と目的から決めます。通数が少なすぎると、偶然の差か、紙面の違いかが判断しにくくなります。出す前に、何を比べるか、何をもって反応とするかを決めておくことが前提です。

デザインの重さや郵便の条件は、いつ確認すればよいですか?

紙面を作り込む前の、紙の形を決める段階で確認します。郵便として出す場合の規定は、日本郵便の規定をあらかじめ確認してください。確認が遅れると、完成した紙面が条件に合わず、作り直しになることがあります。

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