DMの作り方

手書きDM(手書き風DM)の効果と使いどころ — 全文か、ある部分だけか

手書きDMとは、宛名やメッセージの全体、またはある部分を、印刷ではなく手書きの文字で届けるダイレクトメール(DM)のことです。印刷されたDMが多いなかで、手書きの文字は目にとまりやすく、「自分のために書いてくれた」という印象を持たれやすいといわれています。その一方で、手書きは手間がかかるため、どんな相手に、どこまで手書きにするかを見きわめないと、負担ばかりが大きくなります。この記事では、手書きDMの種類、効果が語られる理由、使いどころと向かない場面、手書きにする箇所の選び方を整理します。

手書きDMとは — 手書き、手書き風、手書き文字の印刷

「手書きDM」といっても、実際には作り方にいくつかの種類があります。

三つは、見た目が似ていても、受け取る人への伝わり方は同じではありません。手書き風の文字が、手書きに見えて実は印刷だとわかると、かえってがっかりさせる場合があるともいわれています。手書き風にする場合は、手書きのふりをするのではなく、あたたかみを出すための表現として使う、という割り切りが大切です。

  • 完全に手書きするもの:宛名から本文、ひと言まで、人が1通ずつ書いたものです。手間がかかる分、受け取る人に伝わるものも大きくなります。
  • ある部分だけ手書きにするもの:印刷した本文に、宛名やひと言、追伸などを手書きで添える形です。手間と効果の間を取りやすい方法です。
  • 手書き風の文字を使うもの:手書きに似せたフォントや、手書き文字をもとにした印刷で、手書きらしい雰囲気を出します。通数が多くても作りやすい方法です。

効果が語られる理由と、言い切れないこと

手書きDMは、一般に、反応につながりやすいといわれています。理由として語られるのは、おもに次の三つです。

ただし、「手書きにすれば反応率が上がる」と言い切れる根拠は、一般には見当たりません。手書きの効果として紹介される数字は、多くが各社の自社の事例であり、業種や相手、内容、送った時期によって大きく変わります。数字そのものより、「自分の相手には、手書きが効く条件がそろっているか」を考えるほうが、判断の役に立ちます。

反応率の考え方は、手書きに限らず、誰に送るかで大きく変わります。計算方法や一般にいわれる目安はDMの反応率はどう決まるかにまとめています。

  • 目にとまりやすい:多くのDMが印刷であるなかで、手書きの文字は見た目が違い、ほかの郵便物の中で目立ちます。
  • 手間が伝わる:1通ずつ書いたことが伝わると、受け取った人が、自分を大切にしてくれていると感じやすくなります。
  • 親しみが生まれる:機械的な印象が薄まり、読み手との距離が近づきます。

手書きDMが向く場面、向かない場面

手書きは、相手の数が限られ、関係を深めたい場面で力を発揮します。

向く例としては、お客さまとの個別の関係が大切な業種、たとえば美容やアパレル、住まいや保険のように、継続的なつきあいがある商品・サービスがあげられます。来店のお礼、休眠していたお客さまへの連絡、特別なご案内のように、相手を選んで丁寧に伝えたい場面にも向きます。高額で検討期間の長いものを案内する際に、手書きのひと言を添える使い方もあります。

向かない例もあります。エリア全体に広く知らせたいだけの場面や、数が多くて1通ずつの手間をかけられない場面では、手書きの良さを保つことが難しくなります。また、急いで出したい場合や、内容が頻繁に変わる場合も、手書きの作業が追いつきません。手書きにする理由を、「目立つから」だけでなく、「この相手に丁寧に伝えたいから」と説明できるかが、使うかどうかの目安になります。

手書きにする箇所を選ぶ

手書きは、全文でなくても効果を狙えます。どの箇所を手書きにするかで、手間と伝わり方が変わります。

表1は、手書きにする箇所と、その狙い、手間の考え方です。目安として、見る人の目にまず入る箇所と、最後に気持ちを添える箇所は、手書きの効果が出やすいといわれています。

表1: 手書きにする箇所と、狙い・手間

手書きにする箇所狙い手間向く場面
宛名封筒やはがきを開く前に、手書きと気づいてもらう小さい通数が多めでも取り入れやすい
見出し・キャッチコピーまず目にとまる箇所で印象を変える小さい〜中程度本文は印刷で、目立たせたい箇所だけ手書き
ひと言・追伸相手に向けた気持ちを添える中程度お礼、お誘い、個別の一言を添えたい場面
特典・期間行動を促す内容を、手書きで強調する中程度期間限定の案内など
本文のすべて手紙としての温かみをできるだけ出す大きい通数が限られ、関係を深めたい相手

(読み方: 上の行ほど手間が小さく、下の行ほど手間が大きくなります。手間と狙いのバランスから、ある部分だけを手書きにする形から始める方法があります。)

通数が増えたときの現実的な選び方

手書きは、通数が増えるほど、作業量が負担になります。

少ない通数であれば、自分で書くこともできます。通数が増えると、書き手の確保、文字のそろえ方、書き間違いの管理といった課題が出てきます。そのとき、すべてを手書きで通すのか、手書きにする箇所を絞るのか、手書き風の表現で代替するのかを選ぶことになります。

選ぶときの考え方は、手書きの価値が出やすい相手を絞ることです。たとえば、反応が見込める関係の深いお客さまには手書きで丁寧に、それ以外には印刷にひと言を添える、というように使い分ける方法があります。手書きDMの制作は、内容によってはご相談いただけます。通数や内容、スケジュールによって進め方が変わるため、個別にお話をうかがいます。

小さく試して、測る

手書きにする価値は、自分の相手で確かめるのが確実です。

手書きの効果は、相手と内容によって大きく変わるため、他社の事例の数字をそのまま当てはめるのではなく、自分の相手で比べて判断します。DM全体の紙面の考え方はDMのデザインで決めること、紙の形の選び方は圧着はがきとはで整理しています。

  • 少ない通数で出す:手書きにしたものと、印刷のものを、同じ条件でそれぞれ少ない通数で出します。
  • 反応の定義を決める:クーポンの持参、問い合わせ、申込など、後で数えられる形にします。
  • 手間とあわせて判断する:反応の差だけでなく、かかった手間や時間も含めて、続ける価値があるかを見ます。

手書きを取り入れたDMを相談したいとき

手書きを取り入れたDMについて、相手の決め方から制作、発送までを通して相談したい、というご要望もあります。

当社は、ダイレクトメールを含む11の媒体を横断して、エリアと目的に合った組み合わせを設計する立場です。手書きDMは、内容によってはご相談いただけます。どの箇所を手書きにするか、どの相手に絞るかなど、お話をうかがったうえで進め方を一緒に考えます。当社の取り組みはダイレクトメールのページをご覧ください。

DMの作り方の束は、圧着はがき・デザイン・手書きの3本です。圧着はがきとはから順にご覧いただけます。

よくあるご質問

手書きと手書き風では、効果が違いますか?

受け取る人への伝わり方は、同じではないといわれています。1通ずつ書いたことが伝わる手書きは、手間への印象が強く残ります。手書き風は、あたたかみを出しやすく、通数が多くても作りやすい一方、手書きではないと気づかれる場合もあります。どちらが優れているかではなく、相手と通数、目的から選ぶのが基本です。

手書きDMは、何通までなら現実的ですか?

決まった目安はありません。書き手の人数、1通にかかる時間、出したい日程によって変わります。通数が増えて負担が大きくなってきたら、手書きにする箇所を絞る、対象の相手を絞る、手書き風の表現を併用する、といった方法で調整します。

宛名だけを手書きにする意味はありますか?

宛名は、受け取った人がまず目にする箇所です。手書きの宛名は、開く前に印刷のDMとは違うと気づいてもらうきっかけになります。手間も比較的小さく、通数が多めでも取り入れやすい方法です。ただし、中身が印刷のままだと、期待とのギャップが生まれることもあるため、内容との組み合わせで考えます。

手書きDMは、どんな業種に向いていますか?

お客さまとの個別の関係が大切な業種、たとえば美容、アパレル、住まい、保険などで使われることが多いといわれています。ただし、業種だけで決まるものではなく、相手の数や関係の深さ、内容によっても向き不向きが変わります。まず少ない通数で試して判断することをおすすめします。

手書きDMの制作は依頼できますか?

内容によってはご相談いただけます。通数、手書きにする箇所、内容、スケジュールによって進め方が変わるため、個別にお話をうかがいます。お気軽にお問い合わせください。

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