チラシの届け方と媒体選び

新聞の発行部数の動きと、折込の使いどころ — 公開統計で読む「減っているから折込は不要か」

新聞の発行部数は、日本新聞協会の調べで2005年10月の約5,257万部から2025年10月の約2,487万部へと、20年でおよそ半分になりました。ただ、部数が減ったことは、折込が使えなくなったことをそのまま意味するわけではありません。変わったのは、購読する世帯が減り、折込で届く世帯の割合が小さくなったことです。折込を使うかどうかは、届けたい相手と範囲が購読世帯と合うかで決まります。この記事では、公開統計の数字を出所と確認日つきで整理し、その読み方と、折込を選ぶ場面の考え方を、チラシを出す側の視点で紹介します。

この記事の要点

  1. 新聞の発行部数は2005年から2025年の20年でおよそ半分になり、1世帯あたりの部数は1.04部から0.42部になりました(日本新聞協会)。
  2. 発行部数・1世帯あたり部数・購読率・折込広告費は、それぞれ別の指標です。数字は、何を数えたものかを分けて読みます。
  3. 統計を見たあと、折込の判断で重くなったのは「届けたい相手が購読層か」という問いです。範囲や日程を含めた判断表は別の記事にあります。

表1: 新聞の発行部数と、1世帯あたり部数の推移(各年10月)

日本新聞協会は、新聞の発行部数と世帯数の推移を、毎年10月時点で公表しています。主な年を並べると、次のとおりです。

年合計部数(一般紙+スポーツ紙)1世帯あたり部数
2000年約5,371万部1.13部
2005年約5,257万部1.04部
2010年約4,932万部0.92部
2015年約4,425万部0.80部
2020年約3,509万部0.61部
2025年約2,487万部0.42部
(出所: 日本新聞協会「新聞の発行部数と世帯数の推移」、確認日 2026-10-26。部数は万部未満を四捨五入。朝刊と夕刊のセットを1つとして数え、世帯数は住民基本台帳によります。)

2025年は2005年のおよそ半分、2020年からの5年間では約3割の減少です。1世帯あたり部数は、2005年の1.04部から2025年の0.42部まで下がりました。

ここで読み取れるのは、新聞が届く世帯の数と割合が、以前より小さくなったことです。一方で、これは全国の合計の数字で、地域や販売店ごとの購読の状況は分かりません。自分が配りたいエリアの状況は、手配先に確かめます。

新聞を取る家は減っている? 購読率と部数の違い

新聞の動きを表す数字には、似ていて別のものがあります。混ぜずに読むのがこつです。

新聞通信調査会の「メディアに関する全国世論調査」では、自宅で新聞を月ぎめ購読している人の割合(購読率)を毎年調べています。2025年10月に公表された第18回の調査では50.1%でした。2026年10月に公表された第19回の調査では49.8%で、5割を下回りました(新聞通信調査会の調査について、nippon.com が2026年10月21日に報じた数字です)。

購読率は、全国の18歳以上5,000人を対象に、住民基本台帳から無作為に選んで行った調査(訪問留置法)への回答の割合です。個人の回答に基づく調査なので、新聞各社が公表する発行部数や、そこから出る1世帯あたり部数とは、数え方が違います。1世帯が複数の新聞を取る場合もあるため、1世帯あたり部数0.42部は、「新聞が届かない世帯が58%ある」という意味ではありません。

年代や地域によって購読の状況に差があるとされますが、この記事で使った公開データには、その内訳は含まれていません。狙う相手が購読層に近いかは、数字を当てはめるのではなく、届けたい相手の暮らし方から考えます。

折込の仕組みと、エリア・部数の関係は折込チラシとはにまとめています。

折込広告費はどう動いているか

広告費の面では、電通の「日本の広告費」が、折込の動きを毎年まとめています。

2026年3月に発表された「2025年 日本の広告費」では、折込の広告費は2,354億円で、前年比96.4%でした。折込を含む「プロモーションメディア広告費」の全体は1兆7,184億円で前年比102.0%と伸びており、その中で折込は前年を下回った区分の1つです。

広告費は、広告主が支払った金額を推定した数字で、折込として出された量(枚数や部数)そのものではありません。部数の減少と並べて「だから効く」「だから効かない」と言える数字ではなく、市場全体の動きを知る材料として読みます。

表2: 数字から言えること・言えないこと

数字が示すことと、示さないことを、分けて確かめます。

数字言えること言えない・確かめること
発行部数が20年でおよそ半分新聞が届く世帯の数と割合は、以前より小さくなった折込が効かなくなったとまでは言えない。反響は、実施した結果で見る
1世帯あたり部数が0.42部世帯数に対して、部数が半分に満たない届かない世帯の割合そのものではない。自分のエリアの購読の状況は手配先に確かめる
購読率が5割前後自宅で購読している人が、全体の半分ほど年代・地域の差は、この数字からは分からない。狙う相手が購読層かを確かめる
折込広告費が前年比96.4%市場全体としては、前年より小さくなった個別の商材や地域で使えるかどうかは、広告費からは分からない
(読み方: 数字の出所と確認日は節7にまとめています。表の「言えること」は、数字を一般的に読んだ範囲で、当社独自の基準による目安ではありません。)

折込は、新聞に挟んで届けるため、新聞を購読していない世帯には届きません。この仕組み自体は、部数が多かったころも同じです。変わったのは、届く世帯の割合が小さくなったことで、全世帯に広く届ける手段としては、以前より向きにくくなっています。

一方、購読世帯には新聞と一緒に習慣的に目を通してもらいやすいといわれ、購読層が相手の商材では、今も選択肢になります。「減っているから不要」とも「昔どおり効く」とも決めずに、相手と範囲から考えるのが基本です。

統計を見たあと、折込の判断で重くなった問い

部数が減った今、折込の判断でとくに重くなったのは「届けたい相手が購読層か」という問いです。購読世帯が全世帯の一部にとどまるため、相手が購読層から外れるほど、折込だけでは届きにくくなります。

範囲や日程も含めた選び分けの判断表はポスティングと新聞折込の違いにあります。購読層に当てはまらない部分は、新聞を購読していない世帯にも届くポスティングや、フリーペーパーへの折込で補う考え方があります。フリーペーパーへの折込はフリーペーパーへの折込(挟み込み)とはにあります。

折込と、ほかの届け方を組み合わせる

購読世帯への信頼感を生かして折込で広く知らせ、新聞を取っていない世帯が多い町丁目にだけポスティングを足す、といった組み合わせがあります。購読の有無で配布先を分ける設計ではなく、重なる部分を前提に、届く範囲を広げる考え方です。

費用の決まり方は新聞折込の費用の決まり方に、チラシのサイズの考え方は折込チラシのサイズの選び方にまとめています。効果は数字の目安ではなく、配布ごとに目印をつけて、実施した結果で確かめます。

この記事の数字の出所と確認日

数字はすべて、公開されている資料を2026年10月26日に開いて確かめたものです。公式ページはその後、更新されることがあります。

数字の転記は、出所の表と照らして確かめています。推計や按分で補った数字はありません。

日本新聞協会「新聞の発行部数と世帯数の推移」:
表1の部数・1世帯あたり部数。各年10月、新聞協会経営業務部調べ。日本新聞協会の公表ページ(確認日 2026-10-26)
新聞通信調査会「メディアに関する全国世論調査」:
購読率50.1%(第18回、2025年10月公表)。新聞通信調査会の公表ページ(確認日 2026-10-26)。第19回(2026年10月公表)の49.8%は、新聞通信調査会の調査について nippon.com(2026年10月21日)が報じた数字による。調査会の公表ページには、数字の記載がない(確認日 2026-10-26)
電通「2025年 日本の広告費」:
折込2,354億円(前年比96.4%)、プロモーションメディア広告費1兆7,184億円(前年比102.0%)。2026年3月発表のニュースリリースを、共同通信PRワイヤーが転載したページで確認。共同通信PRワイヤーの掲載ページ(確認日 2026-10-26)

当社の関わり方

当社は、ポスティング・新聞折込・街頭配布・ダイレクトメールなど11の媒体を横断して、エリアと目的に合った組み合わせを設計する立場です。

新聞折込のお見積りは、対象エリア・希望の折込日・チラシのサイズ・枚数をおうかがいして承っています。購読世帯だけで足りるのか、補う媒体が必要なのかも含めて、エリアの特徴をもとに整理します。詳しくは新聞折込広告のページをご覧ください。

まとめ

新聞の発行部数は20年でおよそ半分になり、購読率も5割前後まで下がっています。ただ、これは折込が使えなくなったというより、折込で届く世帯の割合が小さくなったという変化です。発行部数・1世帯あたり部数・購読率・折込広告費は別の指標なので、混ぜずに読みます。折込を使うかどうかは、届けたい相手が購読層かをはじめに確かめ、範囲や日程を含めた判断表で選び、足りない部分はポスティングやフリーペーパーへの折込で補います。

よくあるご質問

新聞の発行部数は、どのくらい減っていますか?

日本新聞協会の調べでは、2005年10月の約5,257万部から、2025年10月は約2,487万部で、20年でおよそ半分になりました。1世帯あたりの部数は、1.04部から0.42部です。全国の合計の数字で、地域ごとの状況は含まれません。

部数が減っているなら、折込は使えませんか?

使えないとは言えません。新聞が届く世帯の割合が小さくなり、全世帯に広く届ける手段としては向きにくくなった、という変化です。届けたい相手が購読層で、範囲が販売店の配達エリアに合う場合は、今も選択肢になります。

新聞の購読率は、どのくらいですか?

新聞通信調査会の調査では、2025年に公表された第18回で、自宅で月ぎめ購読している割合は50.1%でした。2026年に公表された第19回では49.8%で、5割を下回りました(nippon.com 2026年10月21日の報道による)。個人の回答に基づく調査で、発行部数や1世帯あたり部数とは別の指標です。

折込広告費は、減っていますか?

電通「2025年 日本の広告費」(2026年3月発表)では、折込は2,354億円で前年比96.4%でした。広告費は広告主が支払った金額の推定で、折込の枚数ではありません。1年分の数字だけで、使えるかどうかは決められません。

折込を使うかどうか迷うときは、何を見ればよいですか?

統計を見たうえで、はじめに「届けたい相手が購読層か」を確かめます。範囲や日程を含めた選び分けは、判断表で整理できます。迷うときは、届けたい相手とエリア、時期をお知らせいただければ、組み合わせを含めて整理します。

関連するエリア指標

このテーマを検討する際に参考になりやすいエリア指標です(当社エリアページで市区町村単位に公開しています)。

年齢層世帯構成持家率
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折込を使うかどうか迷うときは、届けたい相手とエリア、希望の時期をお知らせください。購読世帯だけで足りるのか、ほかの媒体で補うのかを含めて、条件ごとにご案内します。お気軽にお問い合わせください。

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